本記事では、東京都江戸川区にお住まいで、病気やケガ、加齢によりリハビリや生活支援、介護を必要とする当事者やそのご家族に向けて、受けられる公的サービスを徹底解説します。国の制度である「介護保険」や「身体障害者手帳」の具体的な申請手順に加え、他の23区を圧倒する江戸川区独自の強力なサポート制度である「最大200万円の住まいの改造助成」、「実質1,000円で都営交通が乗り放題になるシルバーパス購入費助成」、さらに外出を支える「福祉タクシー券」まで網羅。複雑な行政手続きをスッキリ整理し、「明日からどこへ行き、何をすればよいか」の具体的なネクストアクションを分かりやすく提示します。
1. 介護保険の申請手続き|頼れる「熟年相談室」を賢く使ってリハビリ・介護の第一歩を!
病気や加齢によって日常生活に不自由を感じたら、まず検討すべきなのが「介護保険」の利用です。リハビリ専門職による訪問リハビリやデイサービス、福祉用具のレンタルなどを自己負担1〜3割で利用するためには、区から「要介護認定」または「要支援認定」を受ける必要があります。
① 介護保険を申請できる方
介護保険の対象者は、年齢や状況によって以下の2つに分かれます。
- ▶65歳以上の方(第1号被保険者):介護が必要になった理由は問われません。
- ▶40歳から64歳までの方(第2号被保険者):がん(末期)、関節リウマチ、脳血管疾患、骨折を伴う骨粗鬆症など、国が指定した16種類の「特定疾病」が原因で介護が必要となった場合に限られます。
② 要介護認定の申請手順と必要書類
申請は、原則として本人またはご家族が行いますが、地域で活動する専門機関に「申請の代行」を依頼することも可能です。
申請に必要な持ち物・情報:
- 介護保険要介護認定・要支援等申請書(窓口配布またはホームページからダウンロード可能)
- 介護保険被保険者証(40~64歳の方は医療保険の保険者名称、保険者番号及び記号番号の情報が必要です)
- 本人および代理人確認、代理権確認書類(マイナンバー制度導入に伴い必要となります)
- 主治医の情報:申請受付時に、主治医の氏名(フルネーム)、病院名、所在地、電話番号、入院中の方は施設の名称と所在地を確認されますので、事前にメモを用意しておきましょう。
どこに申請する?(申請窓口):
- ▶熟年相談室(地域包括支援センター):江戸川区内には15箇所以上設置されています。お住まいの担当エリアごとに決まっており、介護福祉の専門スタッフが常駐して、申請時に現状や今後の相談にも乗ってくれます。
- ▶区の相談窓口(介護保険課)
- ▶オンライン(電子申請):マイナンバーカードと対応スマートフォンもしくはパソコン(ICカードリーダライタ)があれば、政府の「マイナポータル」の「ぴったりサービス」から申請ができます。
③ 申請から認定までのスケジュール
申請を行うと、通常1か月〜1か月半で交付となります。かかりつけ医への意見書作成依頼や調査員の訪問調査などが行われ、審査を経て決定された要介護度に応じて、利用できるサービスや月々の利用限度額が決定されます。結果通知書と新しい被保険者証は、簡易書留による郵送で届きます。
要介護認定を受けたあと、自宅でどんなリハビリを続けられるか迷ったら、理学療法士・作業療法士などの専門家とつながれるリハマッチのマッチング相談(無料)もあわせてご検討ください。
2. 【江戸川区独自】暮らしと移動を劇的にラクにする!超充実の「2大」限定助成金
江戸川区は、国や都の基準を上回る独自の高齢者・福祉向け助成金制度が非常に手厚いことで知られています。特に、今リハビリや住宅のバリアフリー化、外出手段に悩んでいるなら絶対に知っておくべき2つの制度をご紹介します。
制度①:最大200万円!介護保険の上乗せで使える「住まいの改造助成」
リハビリを自宅で続ける上で、「お風呂のまたぎ動作が怖い」「車いすで玄関を通り抜けられない」といった住居の障壁は深刻な問題です。国の介護保険でも住宅改修費(上限20万円)が支給されますが、江戸川区では、それを大幅に上回る上限200万円の独自助成金制度を設けています。
対象者:
- 江戸川区内に居住していること。
- 現に居住する住宅について住まいの改造を必要としていること。
- 要介護認定又は要支援認定を受けていること。
※老人福祉施設に入所中や入院(短期入院を除く)中の方は除きます(ただし、改造により退院・退所できる場合は対象となります)。また、住宅の所有者の承諾が得られない方も対象外です。
助成対象額:200万円が限度(※介護保険による住宅改修20万円が優先的に適用され、それを超える部分について適用されます)。
自己負担(助成割合):世帯の所得状況や介護保険の自己負担割合に応じて、区が費用の7割〜10割を助成します。
- ▶生活保護を受けている方:10割助成(自己負担0円)
- ▶生活保護等に該当しない方(1割負担):9割助成(自己負担10%)
- ▶介護保険サービスの自己負担割合が2割の方:8割助成(自己負担20%)
- ▶介護保険サービスの自己負担割合が3割の方:7割助成(自己負担30%)
主な改造工事の種類と限度額の例:
| 工事の種類 | 助成限度額 | 支給の主な要件 |
|---|---|---|
| 便器の洋式化 | 106,000円 | 工事の必要性に応じて決定 |
| 浴槽の取替え | 379,000円 | またぎ動作が困難であり、既存の浴槽から10cm以上低くなること |
| 流し及び洗面台の取替え | 156,000円 | 日常的に車いすを利用していること |
| 段差解消機設置のための舗装改修 | 2,000,000円 | 日常的に車いすを利用し、段差解消機を利用しなければ住宅の入退室ができないこと |
| 階段昇降機の設置 | 2,000,000円 | 申請者または家族の持ち家であり、日常的に車いすを利用し、階段昇降が必要なこと |
| ホームエレベーターの設置 | 2,000,000円 | 申請者または家族の持ち家であり、日常的に車いすを利用し、階段昇降が必要なこと |
事前相談がなく既に工事が完了している場合は助成を受けられません。介護認定を受けている方は、必ず担当のケアマネジャーまたはお近くの「熟年相談室」へ工事前に相談し、ケアマネジャーから区へ工事内容及び申請者のADL(日常生活動作)等の報告をしてもらう必要があります。
制度②:【令和8年10月開始予定】実質1,000円で乗り放題!「シルバーパス購入費助成」
東京都内の一部の民間バスや都営交通などが利用できる「東京都シルバーパス」は、高齢者の方の外出を支える心強い手段です。通常、住民税非課税などの所得が低い方は1,000円で発行されますが、所得がある程度ある住民税課税者(前年合計所得金額が135万円を超える方)は12,000円の購入費用がかかります。
これに対し、江戸川区では高齢者の外出を促進し健康維持に繋げるため、令和8年10月から「シルバーパス購入費用のうち11,000円を区独自に助成する」新たな取り組みを始める予定です。
対象となる方(すべてを満たす方):
- 江戸川区に住所を有する満70歳以上の方
- 令和8年10月以降に有効な12,000円の東京都シルバーパスを購入した方
- 令和8年度住民税が課税で、前年の合計所得金額が135万円を超える方
(※シルバーパスを最初から1,000円で購入できる非課税世帯等の方は対象外です)
- ▶助成額:11,000円(シルバーパス有効期間内1回限り)
- ▶実質自己負担:わずか1,000円(※パスを一度ご自身で購入した後に、区から11,000円が助成金として返還されます)。
- ▶申請時の注意点:シルバーパス購入時の「払込受領書(払込票の半券)」または「領収書」の添付が必要です。これらは再発行ができないため、絶対になくさず手元で保管しておいてください。令和8年10月から配付される所定の申請書に添付して申請を行います。
3. 身体障害者手帳の申請手順と「福祉タクシー券」による外出・移動支援
「病気による後遺症で麻痺が残り、歩行が非常に困難になった」「心臓やじん臓、呼吸器などの機能が著しく低下した」という場合は、「身体障害者手帳」の取得を検討しましょう。手帳を取得することで、障害の度合いに応じた様々な福祉サービスや、医療費助成、日常生活用具の給付などが受けられるようになります。
① 身体障害者手帳の申請方法
手帳の新規交付申請は、江戸川区役所本庁舎2階1番「障害者福祉課認定係」の窓口で受け付けています。
申請に必要なステップと書類:
- 身体障害者診断書・意見書を用意する:身体障害者福祉法第15条で指定された「指定医師」が作成したもの(発行から1年以内)に限られます。
※申請する障害部位(視覚、聴覚、肢体、内臓機能など)ごとに診断書の様式が異なりますのでご注意ください。様式は窓口配布のほか、東京都心身障害者福祉センターのホームページからダウンロードできます。また、診断書・意見書の取得費用は全額自己負担となります。 - 本人の顔写真(縦4cm×横3cm・撮影後1年以内):手帳の発行様式は、従来の紙タイプに加え、カードタイプのいずれかから選ぶことができます。
- マイナンバー関係書類(本人確認書類および番号確認書類)
窓口(または代理人)で申請手続きを行い、審査を経て、通常1か月〜1か月半で手帳が簡易書留による郵送で届きます。なお、新規申請窓口は多少時間がかかるため、16時までに窓口へお越しいただく必要があります。
② 移動を支える!江戸川区独自の「福祉タクシー券」
身体障害者手帳を取得した在宅の歩行困難な方に向けて、外出を支援する「福祉タクシー券」が交付されます。
対象となる方(すべてを満たす、在宅の移動困難な方):
- ▶身体障害者手帳1級〜3級の「下肢、体幹、移動機能障害」の方
- ▶身体障害者手帳1級〜2級の「視覚障害」の方
- ▶身体障害者手帳1級の「内部障害」の方
- ▶身体障害者手帳3級の「呼吸器障害」で、外出時に携帯酸素を利用する方
- ▶知的障害の判定手帳である「愛の手帳」の1度〜2度の方
(※入院中や施設に入所中の方は原則として対象外です)
助成内容:半年に1回、6冊(1か月あたり3,000円分)のタクシー券を交付します(年間で計36,000円分)。対象のタクシーに乗車する際に利用でき、手帳を提示することで多くのタクシーで障害者割引(1割引)も同時に受けられます。(※自動車燃料費の助成制度との選択制になります)
新規申請方法:
新規申請は、障害者福祉課の窓口(区役所本庁2階)、または「マイナポータル」の「ぴったりサービス」を利用した電子申請が可能です。
脳卒中の後遺症や歩行困難など、身体障害者手帳の対象となるような症状は、自費リハビリでもサポートが可能です。リハマッチの対応症状・お悩み一覧で該当する症状があるかご確認ください。
4. 知っておくべき「健康・福祉の連携」と「介護保険優先」の基本ルール
江戸川区で障害者福祉サービスと高齢者向け介護サービスの両方を使いたい場合、法律に基づく「介護保険優先ルール」を正しく理解しておく必要があります。
65歳以上になると介護保険サービスが原則優先
障害者福祉サービス(ヘルパーの利用、デイサービスなど)を利用していた方でも、65歳に達した時点、あるいは40〜64歳の方で特定疾病に該当する方については、基本的には介護保険のサービスが優先的に適用されます。これは、社会保険としての介護保険制度が「社会全体で要介護状態の方を支える」というルールに則っているためです。
しかし、以下のような場合は連携やメリットが考慮されます。
- ▶リハビリのシームレスな移行:これまで障害相談係等で受けていた支援から、介護保険による「ケアマネジャー」を通したサービスへとスムーズに引き継ぐため、担当ケアマネジャーや、お住まいの地域を担当する「熟年相談室」が介護保険申請の第一歩から相談に乗ってくれます。
- ▶独自上乗せのメリット:前述の「住まいの改造助成(最大200万円)」のように、要介護認定を受けることで初めて江戸川区独自のより手厚い助成金へとアクセスできる場合も多いため、介護保険への切り替えや並行利用は決して不利益なことではなく、むしろご自宅での生活の安定性を大きく向上させるチャンスとなります。
5. 当事者とご家族のための「明日から始めるステップ」(ネクストアクション)
複雑な手続きを前にして立ち止まってしまう必要はありません。あなたが「明日、最初にすべき行動」を状況別にまとめました。
【明日やること】まずは「お住まいの地域の熟年相談室(地域包括支援センター)」へ電話してみましょう。専門職の相談員があなたの状況を聞き取り、介護保険の要介護申請の代行から、リハビリデイサービス等の紹介、バリアフリー改造工事のアドバイスまで一手に引き受けてくれます。
【明日やること】かかりつけ医を受診した際、「身体障害者手帳の対象になりそうか(15条指定医であるか)」を確認してください。対象であれば、区から診断書の用紙を取り寄せて記入を依頼し、江戸川区役所本庁舎2階1番の「障害者福祉課」へ相談窓口を訪ねるか、電話で手続きの流れを教えてもらいましょう。
【明日やること】購入時の「領収書」または「払込票の半券(払込受領書)」を絶対に捨てずに、ファイル等へ大切に保管してください。10月から区のホームページや広報で公開される申請手続きをお待ちください。
江戸川区が提供する最新の正確な情報、各種申請書類のダウンロード、オンライン相談は、以下の公式Webサイトから直接ご確認いただけます。

