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リハビリって、いつまで続ければいい?セラピストが考える「リハビリ卒業」のタイミング

こんな人に読んでほしい!
  • 「いつまで続ければいいの?」とリハビリの終わりが見えず不安を感じている方
  • 「全然良くなっていない」と成果を感じられず、焦りや諦めを感じている方
  • 「もっと応援すべきか、手出しを控えるべきか」と家族としての接し方に悩んでいる方
  • リハビリを続ける意味や、自分に合った本当の「卒業」タイミングを知りたい方
この記事の要約

「リハビリはいつまで続ければいいのか」という問いに、セラピストの視点から向き合った記事です。リハビリの卒業時期は一律には決められず、「今の自分に必要な目標を達成し、その後の生活を自分なりに進んでいける状態になったとき」が一つの答えになると述べています。
改善の可能性の有無だけでなく「その改善が自分にとってどんな意味を持つか」を基準に考えること、目標は途中で変わってよいこと、そして自主トレやご家族の支え方は「頑張りすぎない」ことが長く続けるコツであることなど、リハビリを続けるかどうか迷ったときの考え方のヒントを紹介しています。

はじめに

「リハビリって、いつまで続ければいいんですか?」

リハビリの仕事をしていると、この質問をされることがあります。
ご本人から聞かれることもあれば、ご家族から聞かれることもあります。

「もう半年リハビリをしているけど、まだ続けたほうがいいのでしょうか」
「これ以上やっても、良くならないんじゃないですか?」
「病院のリハビリが終わったら、もうリハビリは必要ないんですよね?」

こうした言葉の背景には、単純に「何か月やればいいのか知りたい」という気持ちだけではないと思っています。

そこには、

「この先、良くなるのだろうか」
「今やっていることは意味があるのだろうか」
「いつまで頑張ればいいのだろうか」

という不安があるのではないでしょうか。

そして、その不安を抱えているのは、ご本人だけではありません。

毎日そばで見ているご家族も、

「もっと何かしてあげたほうがいいのかな」
「本人にもっと頑張ってもらったほうがいいのかな」
「でも、頑張らせすぎたらかわいそうなのかな」

と、いろいろなことを考えていると思います。

私は、リハビリに「○か月続ければ卒業」という一つの答えはないと思っています。

なぜなら、リハビリは病気やけがを治すためだけのものではなく、その人がこれからどんな生活をしたいのか、そのために今どこまでできるようになりたいのかによって、必要な期間も、目標も、関わり方も変わるからです。

今回は、私がセラピストとしてリハビリに関わる中で感じてきた「リハビリ卒業」について、少し率直にお話ししたいと思います。

「リハビリはいつまで?」に、○か月とは答えられない理由

まず知っておいていただきたいのは、リハビリにはいろいろな種類があるということです。

病気やけがをした直後の急性期。
状態が落ち着き、退院や生活への復帰を目指す回復期。
退院後に病院へ通って受ける外来リハビリ。
介護保険を使った訪問リハビリや通所リハビリ。
そして、自費で受けるリハビリ。

同じ「リハビリ」という言葉を使っていても、それぞれの目的は少しずつ違います。

例えば、急性期では、まず病気やけがによって大きく落ちてしまった身体機能を回復させながら、次の生活につなげていくことが重要になります。

回復期では、退院して自宅や社会で生活するために必要な能力を身につけることが大きな目標になります。

そして、退院後の外来リハビリでは、実際の生活に戻ってみて初めて分かった問題を解決したり、仕事への復帰を目指したり、さらに生活の質を高めたりすることもあります。

介護保険領域のリハビリでは、今できていることを維持するだけではなく、生活の中でより効率よく動けるようにしたり、できることを増やしたり、自分で運動する習慣を作ったりすることも重要になります。

一方で、自費リハビリになると、さらに目標が変わってきます。
「生活できるようになったから終わり」ではありません。

「もう一度ゴルフがしたい」
「家族と旅行に行きたい」
「友達とお茶をしたい」
「床に落ちたものを自分で拾えるようになりたい」
「以前のように自分でできることを増やしたい」

そういった、その人自身の「本当はこうしたい」という思いが目標になることがあります。

だから私は、リハビリの卒業時期を一律に決めることはできないと思っています。

むしろ、
「今の自分にとって、リハビリを続ける意味があるのか?」

という視点で考えていくことが大切なのではないでしょうか。

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「良くなっていない」と感じるとき、本当に変化していないのでしょうか

リハビリを続けている方から、
「全然良くなっていない気がします」

と言われることがあります。

私は、この言葉を聞くとき、決して「そんなことないですよ」と簡単に否定しないようにしています。

なぜなら、本当に本人がそう感じているからです。

毎日、自分の身体と向き合っている人ほど、少しの変化に気づきにくいことがあります。

昨日も歩いた。
今日も歩いた。
先週も同じように歩いた。

そうすると、1週間前と比べて何が変わったのか、自分では分からなくなってしまうんです。

人間の身体は、必ずしも右肩上がりに良くなっていくわけではありません。

筋力が少しずつ戻ってくることもあれば、体調によって動けない日もあります。

病気やけがの程度、年齢、栄養状態、活動量、合併する症状などによっても、回復のスピードは大きく変わります。

特に、脳卒中などによる麻痺や感覚障害、複数の後遺症がある場合には、「思っていたよりも時間がかかる」と感じることもあります。

だからこそ私は、リハビリを始めるときに「何か月で絶対に良くなります」と簡単に約束することはできません。

むしろ、今の身体の状態をできるだけ正確に把握して、

「今はここまでできています」
「ここがまだ難しいです」
「この部分を練習していきましょう」
「まずはここを目標にしましょう」

と、一つずつ確認していくことが大切だと思っています。

「現在地」が分からなければ、前に進んでいることにも気づけない

リハビリをしている方にとって、意外と大切なのが「現在地」です。

自分の身体のことだから、自分が一番よく分かっている。
そう思うかもしれません。

でも、実際には自分の身体の状態を客観的に把握することは簡単ではありません。

例えば、歩くこと一つとっても、

「なんとなく歩きやすくなった」
「今日は調子がいい」

という感覚だけでは、変化を正確に捉えるのは難しいものです。

そこで私は、できるだけ「できる・できない」を具体的にすることが大切だと考えています。

同じ距離を歩くのに何分かかるのか。
何歩で歩けるのか。
以前は途中で休まなければいけなかった距離を、今は休まず歩けるのか。
立ち上がりは何回できるのか。

そうやって数字や動画などを使って比較すると、「実は少しずつ変わっていた」ということに気づくことがあります。

特に動画は分かりやすいです。

本人は、
「前とそんなに変わっていない」

と思っていても、以前の動画と今の動画を並べてみると、

「足の出し方が違う」
「身体の傾きが減っている」
「歩くスピードが上がっている」

といった変化が見えてくることがあります。

人間の記憶は、意外と曖昧です。
「前はこんな感じだったと思う」

だけではなく、できるだけ具体的に比較する。
そして、その変化をセラピストと一緒に確認する。

これは「リハビリを続けるべきか」を考えるうえでも非常に大切なことだと思っています。

リハビリの本当の成果は、リハビリ室の中だけにはありません

私は、リハビリをしていて一番うれしい瞬間は、リハビリの最中ではないことがあります。

もちろん、セラピストとして、その場で動きが良くなったり、できなかった動作ができるようになったりするのはうれしいです。

でも、それ以上にうれしいのは、次に会ったときに、
「先生、昨日これできたんです」

と、笑顔で話してくれる瞬間です。

「今まで一人ではできなかったけど、やってみました」
「家族と一緒に出かけました」
「久しぶりに友達に会いました」

そんな話を聞くと、
「ああ、これがリハビリなんだな」

と思います。

なぜなら、その人がリハビリをしている時間よりも、生活している時間のほうが圧倒的に長いからです。

リハビリ室の中でできるようになったことが、生活の中で使えるようになって初めて、本当の意味でその人の力になっていく。

だから私は、「リハビリ中に何ができたか」だけではなく、
「リハビリが終わった後の生活で、何が変わったか」

を大切にしています。

新しいことに挑戦してみようと思えた。
今まで諦めていたことをやってみた。
「自分でもできるかもしれない」と思えた。

こうした気持ちの変化も、私は立派なリハビリの成果だと思っています。

目標は、途中で変わっていい

リハビリを始めるとき、多くの場合は最初に目標を決めます。

「一人で歩きたい」
「自宅に帰りたい」
「仕事に復帰したい」
「外出できるようになりたい」

などです。

ただ、私はその最初の目標が、最後まで同じである必要はないと思っています。

むしろ、変わっていい。

リハビリを続けて身体が少しずつ変わってくると、今まで見えていなかったものが見えるようになることがあります。

例えば、最初は「一人で歩けるようになりたい」という目標だった。

それが達成できたら、
「じゃあ、次は近所のスーパーまで行きたい」

となるかもしれません。

スーパーまで行けるようになったら、
「今度は家族と旅行に行きたい」

となるかもしれません。

さらに旅行ができるようになったら、
「昔好きだったことをもう一度やってみたい」

と思うかもしれません。

人間の目標というのは、今の自分の「立ち位置」によって見える景色が変わるものだと思っています。

階段を一段上がったら、それまで見えなかった景色が見える。

だから、最初に決めた目標だけを追い続けるのではなく、その時々で、
「今の自分は何がしたいのか」

をもう一度考えてみてほしいと思います。

そのためにも、セラピストとの会話は非常に重要です。

セラピストが「本当の目標」を最初から全部聞き出せるわけではない

私はセラピストへの研修やスタッフ教育の中でも、コミュニケーションの難しさについて話すことがあります。

セラピストが一生懸命説明したからといって、相手が100%理解してくれているとは限りません。
逆も同じです。

患者さんが最初の面談で話してくれたことが、その人の希望のすべてとも限りません。

初めて会ったセラピストに、いきなり自分の本当の気持ちを全部話せるでしょうか。

私は、なかなか難しいと思います。

だからこそ、リハビリを続ける中で少しずつ関係性を作っていくことが大切です。

何気ない会話の中で、

「実は旅行が好きだった」
「本当は孫と一緒に出かけたい」
「できれば仕事に戻りたい」
「もう一度あの場所に行ってみたい」

という思いが出てくることがあります。

そうした言葉を拾い上げていくことも、セラピストの仕事だと思っています。

リハビリは身体だけを見る仕事ではありません。
その人が何を大切にしているのか。
どんな生活をしたいのか。
何を諦めたくないのか。

そこまで一緒に考えていく必要があると思っています。

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「続けたほうがいい」と思っても、最後に決めるのは本人

自費リハビリでは、私は「いつまで続けるか」を自分だけで決めないようにしています。

もちろん、セラピストとして、

「まだここは伸びる可能性がある」
「もう少し続けることで、こういうことができるかもしれない」

と思うことはあります。

そのときは、きちんとお伝えします。

ただ、
「まだ改善する可能性があるから、続けてください」

だけでは不十分だと思っています。

なぜなら、自費リハビリは、その人自身がお金を払って受けるサービスだからです。

本人にとって、その金額を払ってでも続けたいと思える価値があるのか。

ここは非常に重要です。

セラピストから見れば、

「まだ良くなる可能性がある」

としても、本人からすれば、

「そこまでの改善のために、この金額を払って続ける意味があるとは思えない」

ということもあります。

私は、それを単純に「本人が諦めてしまった」とは考えません。
むしろ、そこまで含めて本人の意思だと思っています。

だから私は、

「続けた場合、何ができる可能性があるのか」
「どれくらいの期間が必要そうなのか」
「今の目標は達成できたのか」
「次に目指したいものはあるのか」
「今の費用を払ってでも続けたいと思えるのか」

そういったことを一緒に考えます。

そして、最終的に決めるのはご本人です。

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「改善する可能性」と「続ける価値」は、同じではない

これは、リハビリを受ける方にも、ご家族にも知っておいてほしいことです。

リハビリを続ければ、何かしら変化する可能性がある。

でも、それだけで「続けなければいけない」ということにはならないと思っています。

例えば、改善する可能性が残っていたとしても、その改善に非常に長い時間が必要だったり、本人が求めている生活とはあまり関係がなかったりすることがあります。

逆に、大きな身体機能の改善がなくても、

「一人で外に出られるようになった」
「家族に頼ることが少なくなった」
「自分でできることが増えた」

という変化が、その人にとって非常に大きな価値を持つこともあります。

だから、リハビリを続けるかどうかを考えるときには、
「まだ改善するか」
だけではなく、
「その改善は、自分にとってどんな意味があるのか」

まで考えてほしいと思っています。

リハビリは「やってもらうもの」ではない

そして、これは少し厳しく聞こえるかもしれませんが、私はリハビリを受ける方にも伝えたいことがあります。

それは、
「自分の身体を、自分で良くしていく」

という気持ちを持ってほしいということです。

もちろん、セラピストは一生懸命サポートします。
知識も技術も使って、その人が良くなるためにできることを考えます。

でも、最終的に身体を変えていくのは、その人自身です。

もし、人に身体を動かしてもらうだけで身体が良くなるのであれば、極端な話、リハビリの専門家は必要ありません。
ただ筋肉を動かすだけなら、他の方法でもできるからです。

リハビリが必要になるのは、単純に筋肉を動かすだけではなく、「どう動けばいいのか」を身体にもう一度学習させる必要があるからだと思っています。

身体能力が残っていても、その能力をうまく使えないことがあります。

そこで、

「ここを意識してみてください」
「こうすると動きやすくありませんか?」
「今の動きと前の動きを比べてみましょう」

と、一緒に考えていく。
そして、その人自身が「なるほど、こういうことか」と気づく。
そこから、自分で繰り返していく。
そうやって少しずつ新しい動きを自分のものにしていく。

私はこれがリハビリの大切な部分だと思っています。

だから「自主トレ」は、頑張ることより続けること

リハビリの時間は限られています。

だからこそ、リハビリをしていない時間をどう過ごすのかが大切になります。

ここで大事なのは、毎日ものすごく頑張ることではありません。

むしろ、私は「続けられること」を大切にしてほしいと思っています。

病気になった直後は、ご本人もご家族も、
「一日でも早く良くしたい」

という思いから、ものすごい勢いで頑張ることがあります。

その気持ちは、とてもよく分かります。
私自身も、家族が同じ立場だったら、きっと「何とかしてあげたい」と思うと思います。

でも、リハビリは短距離走ではありません。
私は、長距離走に近いものだと思っています。

最初の数百メートルだけ全力で走ったら、その後が続きません。
リハビリも同じです。

最初だけ頑張りすぎて、疲れ切ってしまう。
できない自分に落ち込んでしまう。
家族も疲れてしまう。

そうなると、長く続けることが難しくなります。

だからこそ、適度に休む。
心に余裕を持つ。
毎日できることを少しずつ続ける。

自主トレも、「今日10倍頑張る」より、「毎日少しずつやる」ことのほうが大切な場合があります。

リハビリと一緒に、長く走れる距離感を作っていく。
私は、それが非常に大切だと思っています。

ご家族にも「頑張りすぎないでほしい」と伝えたい

そして、もう一つ大切なのがご家族です。

ご家族はご家族で、本当に頑張っています。

本人が大変そうにしていると、
「手伝ってあげなきゃ」

と思います。

できないことがあると、
「私がやってあげたほうが早い」

と思うこともあります。

「もっと歩いたほうがいいんじゃない?」
「ちゃんとリハビリやった?」
「そんなことじゃ良くならないよ」

と、つい口を出してしまうこともあると思います。

でも、本人のためを思ってやっていることが、本人の「自分でやってみよう」という気持ちを奪ってしまうこともあります。

だからといって、何もしなくていいという意味ではありません。

手を出しすぎない。
口を出しすぎない。
でも、必要なときには支える。

この距離感が非常に難しいのだと思います。

そして、忘れてはいけないのは、ご家族自身も長距離走を走っているということです。
ご本人だけが頑張ればいいわけでもありません。

ご家族が疲れ切ってしまったら、長く支えることはできません。

だからこそ、ご家族にも自分自身の時間を持ってほしい。

全部背負い込まないでほしい。
「本人のために」と思いすぎて、自分自身の気持ちまで擦り減らさないでほしい。
私はそう思っています。

では、結局「リハビリ卒業」はいつなのか

ここまで読んでいただいた方の中には、
「結局、いつになったら卒業なんですか?」

と思われるかもしれません。

私が考える答えは、
「その人が、今の自分に必要な目標を達成し、その後の生活を自分なりに進んでいける状態になったとき」

です。

もちろん、これは病気や制度、身体の状態によっても変わります。

病院のリハビリには制度上のルールがありますし、医療保険や介護保険のリハビリにも、それぞれの仕組みがあります。

ですから、「改善したからすぐ卒業」という単純な話ではありません。

一方で、病院のリハビリを卒業したからといって、「もうリハビリは必要ない」という意味でもありません。

生活の中で身体を使い続けること。
運動すること。
自分でできることを続けること。
必要に応じて専門家に相談すること。

そうしたことは、リハビリを終えた後も続いていきます。

そして自費リハビリのような場面では、最初に決めた目標を達成したあと、
「次は何をしたいですか?」

と考えることもできます。

そこで「もう十分です」と思えば、それも卒業です。
「もう一つやりたいことがあります」と思えば、そこから新しいリハビリが始まります。

私は、どちらも正解だと思っています。

リハビリは「ゴール」ではなく、その人の人生を進むためのもの

リハビリをしていると、どうしても「何ができるようになったか」に目が向きます。

歩けるようになった。
立てるようになった。
手が動くようになった。
階段を上れるようになった。

もちろん、それはとても大切です。

でも、その先に何があるのかも同じくらい大切です。

歩けるようになったから、どこへ行きたいのか。
手が使えるようになったから、何をしたいのか。
外に出られるようになったから、誰と会いたいのか。

身体が変わること自体がゴールではなく、その身体で「どんな生活をしたいのか」が本当のゴールになることがあります。

そして、そのゴールは、最初から全部見えているわけではありません。

一段上がったから見える景色があります。
その景色を見たからこそ、次に行きたい場所が見つかることがあります。

だから私は、リハビリの「卒業」を、単純に終わりだとは考えていません。

一つの目標を達成して、次の人生のステージへ進むための区切り。
そんなふうに考えています。

最後に、リハビリを頑張っている方へ

最後に、今リハビリを受けている方、そしてそのご家族に伝えたいことがあります。

リハビリは、短距離走ではありません。

病気になった直後、けがをした直後は、「一日でも早く元に戻りたい」と思うと思います。
ご家族も、「何とかしてあげたい」と思うと思います。

その気持ちは、決して悪いことではありません。

でも、最初から最後まで全力で走り続ける必要はありません。

疲れたら休んでいい。
うまくいかない日があってもいい。
昨日より今日が悪い日があってもいい。

大切なのは、そこで全部諦めてしまうことではなく、また次の日に少しずつ歩き出せることです。

毎日できることを一つずつ。
自主トレも、無理なく続けられる形で。
ご家族も、手を出しすぎず、口を出しすぎず、でも必要なときにはそばにいる。

そして何より、
「自分の身体を、自分で良くしていく」

という気持ちを持ってほしいと思います。

セラピストは、そのためのお手伝いをします。
身体の状態を一緒に確認します。
できていること、できていないことを整理します。
これから何ができる可能性があるのかを一緒に考えます。

必要であれば、厳しいことも正直にお伝えします。
「大丈夫ですよ」と言うだけがセラピストの仕事ではないと思っています。

今の自分を知って、そのうえで、どこへ向かうのかを一緒に考える。

そして、最終的には、その人自身が自分の身体と向き合って、一歩ずつ進んでいく。
それがリハビリなのだと思います。

「いつまで続ければいいんだろう」

そう悩んだときは、単純に「あと何か月?」と考えるのではなく、

「私は、何ができるようになりたいんだろう」
「今の自分は、どこまでできるようになっているんだろう」
「その目標のために、リハビリを続ける意味はあるんだろう」

と、一度立ち止まって考えてみてください。

そして、セラピストにもぜひ聞いてみてください。

「今の私の身体は、どんな状態ですか?」
「何ができるようになっていますか?」
「次に目指せることは何ですか?」
「このまま続けたら、どんなことが期待できますか?」

そうやって、今の自分の「現在地」を確認してください。

リハビリは、セラピストに身体を良くしてもらう時間ではありません。

セラピストと一緒に、自分の身体を理解し、自分自身で一歩ずつ変えていく時間です。

そして、いつか一つの目標にたどり着いたとき。
そこで終わってもいい。
「もう一つ、やりたいことがある」と思ったら、また次へ進めばいい。

私は、そんなリハビリであってほしいと思っています。

リハビリの卒業とは、何もしなくなることではありません。

自分の身体と向き合いながら、自分の人生を自分の足で進んでいけるようになること。
そのために必要な時間や方法は、人によって違います。

だからこそ、焦らなくていい。
最初から全力で走り切ろうとしなくていい。
休みながらでもいい。
一歩ずつでもいい。

リハビリという長距離走を、自分のペースで走っていけばいいのだと思います。

そして、その先にある「自分が本当にやりたいこと」を、少しずつ見つけていってほしいと思います。

本記事のまとめ
  • リハビリの卒業時期に「○か月」という一律の答えはなく、リハビリの種類や本人の目標によって変わる
  • 「良くなっていない」と感じるときも、数字や動画で「現在地」を確認すると小さな変化に気づけることがある
  • リハビリの成果は、リハビリ室の中だけでなく「終わった後の生活」で何が変わったかにある
  • 最初に決めた目標は、途中で変わってよい
  • 「改善する可能性」と「続ける価値」は別のもの。その改善が自分にとってどんな意味を持つかを考えることが大切
  • 自主トレやご家族の支え方は「頑張りすぎない」「続けられる形」を意識することが長続きのコツ
  • リハビリの卒業とは、自分の身体と向き合いながら、自分の人生を自分の足で進んでいけるようになること
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この記事の著者

リハマッチ運営局

リハマッチ運営局

プロフィール詳細

リハビリのセラピスト(国家資格保持者)と当事者を直接繋ぐプラットホームを運営。
リハビリ業界の将来を見据え、サービスの在り方に真剣に向き合いつつ、新しい働き方を創造していく取り組みを行っている。
https://www.reha-match.com/

Instagram
https://www.instagram.com/rehamatch_official?igsi=ZzUzNjBhajVnZDU5&utm_source=qr

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